地元の音楽フェス

こないだ友達に連れられて、初めて行った地元の音楽フェス。
主催者のミュージシャンが転換で出てきて、他の出演者に向かってこう言った。
「地元のミュージシャン同士繋がっていかないと上に行けないと思うので、これからもよろしくお願いします。」

それを聞いたとき、一瞬「おや、おかしなこと言ってるな。」と思った。
「繋がっていかないと上に行けない。」とはどういうことか。

単体ではファンも少なくて活動がままならない。
単独ライブなんて席埋まりやしない。
「上に行く」の意味はあまりよく分からないが、たぶん売れる、収入が増える、できれば音楽だけで食えるようになる、みたいなことかな。
そのためには集団行動しましょうと、そういうことか。

私の一瞬感じた違和感の正体。それは、
「それより、本業である音楽の力量を上げる努力をすれば?」
ってこと。
だってミュージシャンなんだから。
売れてないのは、少しの不運も手伝ってるかも知れないが、基本的にはいい音楽じゃないからでしょうと。
クオリティが低いからでしょうと。
そう思った。

その出演者のボーカリストの男性、ミドサーくらいか。
キャリアは、10年以上はやってるかな。
顔はかわいい。イケメンと言っていい。
高音が特徴的。
しかし鼻炎持ち、さ行の発音が悪い。
ボイトレの先生なら始めに指摘しそう。
聞いていて、最低限生理的に気持ち悪くないレベルに未達。
そのままだと大衆の人気を獲得することは難しそう。
ていうかプロにレッスン受けてないのかも。
またはレッスン受けたが治らない、なのか。
レベルはそれくらい。
(けど簡単に治りそうなことではあるよな。そう、ちょっとしたこと。何かのきっかけで化けることもあるかもしれない。)


しかしよく考えたらそんなにおかしい発言ではないのかも知れない。

つまり、僕たちには残念ながらそこまでの才能がない。それを自覚している。残念ながら伸び代ももうない。だから、才能がない同士協力しあおう。協力することで活動を継続していこう。
音楽性を伸ばすことを考えてたら、金も時間も労力も掛かりっぱなし。すぐ棺桶がやってくる。
ってことか。

たぶんあの人たちは、全く食えてない。
けど、熱心なファンの人たちが、サイン会に行列を作っていた。
ファンの人たちも、まあ、おしゃれっぽい人は少なくて、ちょっと野暮ったかった。
少ないファン同士で縄張り争い、みたいなことも起こっているらしい。
けど、それだけ熱心。
食えるほどファンはたくさんいないけど、これでも俺たち的には上出来、だから既存のファンを大切にしていこう、っていうことか。

そんなにおかしくないかも、ほんと。
これもひとつの立派な工夫なんだな。

そして、さっきの発言と矛盾するけど、実は一曲泣ける曲があった!

よし、来年も行くか(^^)
私がファンになっちゃったんだな。