遠藤周作「異郷の友」、◯マッソの◯納さん

◯マッソの◯納さんてすごい人だな。
女で売れてる芸人なんていない、ってさ。
ほんとの意味で、「ネタが面白い芸人」って意味で売れてる女芸人。
そんな人いないって。

◯納さんの文章読んでたら、昔の記憶が突然甦った。

20年以上前の高校の時。
遠藤周作の「異郷の友」って短編。
現代文のドリルだか過去問集に載ってた。
問題文だから、小説のほんの一部分しか載っていなかった。
けどたしか、その一部分であまりにも心を打たれたんだよな。

舞台はフランスで、作者自身が若いときに留学してた頃の体験をもとに書かれている。

白人による差別に迎合してしまって、実際は祖国にも存在しない滑稽な躍りをあえてして見せるんだったか。黒人の男の子。名前はポーラン。

当時高校生だった私は、ポーランの振る舞いを、「よくいる女芸人ぽいな」って思った。

人種差別とは、まあ違うんだけど。
相手の求めに迎合するところが似てるなって。
自ら容姿の醜さを押し出す、とかそういうこと。
実際多いですよね、ビジネス不細工やってる女性芸人。
あ、男性でもいますね。

目の前の相手を楽しませる、それが芸人だ、例え何をやってでも、という考えももちろんあるとは思います。
尊い心です。
芸人さんは芸人さんだから、やっぱ「今この目の前のひとを楽しませるぞ、楽しませなきゃ」ってね。
そうなんだけど、一視聴者としては、
「本当は他にやりたいことが、あったのではないですか?」
と問いかけたくなったり。
なんて、これはこれで押し付けか。
私のこの意見こそ差別だね。
だって、それも生き方の一つだから。
「なによなんか文句あるの?ビジネス不細工の何がいけない?私の生き方侮辱してますよね。」
って言われたら、言葉がないかもしれない。


因みにこれが私の、遠藤周作という人との出会いでしたー。