午前十時の映画祭で『8 1/2』を見てきた。
見る前にはこう思っていた。
中年の危機真っ只中の自分にとっては刺さりすぎてまずいのでは。席から立てなくなるほど打ちのめされて帰ることになるのでは、と。
ところが見てみたら、画面の作り込み、美しさに圧倒されて事前に予想していた気持ちにはあまり襲われなかった。
絵がいいね。構図もいいし、繋ぎもいいし、綺麗。
そしてやっぱり、今になって刺さりすぎたと気付く!天才でもこんな気持ちになるね。私なんてもう何していいかわからないわ(^-^;

そしてこの映画、ブラーのグレアムの発言にかなり近いわね。
英語の読めない私はもちろん『ヴァース・コーラス・モンスター!』は未読だが。
彼、折々こんなこと言ってたな。
ブリットポップの喧騒に巻き込まれてアルコールに頼らざるを得なくなった当時の自分を振り替えって、今なにか言葉を掛けるとしたら「ただ楽しめ。」と言う、ってやつ。
映画の展開とまるっきり同じだわ。

自分の表現のことだけでなくあらゆるビジネス上の些末事にも追いたてられて。
スランプの映画でもあるし、老いの映画でもあるし、長時間労働問題の映画でもあるね。