ロマンスの方向が途中でずれた?『スターリングラード』(2001年)

フランツのベストアルバム『Hits To The Head』、まだまだ私的パワープレイ中。

アレックスいわく、大ヒット曲の「Take Me Out」が生まれたきっかけは、映画『スターリングラード』だそう。
敵国のスナイパー同士がお互いの出方を伺って動けない様子に、ロマンティックな情景を重ねた、と。

てことで『スターリングラード』(2001年)。

これはロマンス映画じゃないか。アレックスはわざわざ「ロマンティックな情景を重ねた」などと付け加えていたが、そのままで十分にロマンティック。いたるところにロマンスだらけ。

ジュード・ローのなんという色気!たまらないね。かっこよかった。敵のシケモク拾って吸うところの口元、どうしよう。
直接的な性描写もあってもちろんセクシーだが、ただしゃべってる姿が恐ろしい。あの声で。あー大満足。

しかし今見ると、途中からロマンスの方向がずれ始めるみたい。
序盤のジュードとジョゼフ・ファインズの、今にもキスをせんばかりの距離での楽しそうなやり取り。二人の間にはっきりとロマンスが見えた。演技が見事。楽しそうな恋人同士みたい。顔をちょっと叩くところなんかたまらないよ。互いが互いに無防備な姿晒せる間柄って感じ。

しかし、ターニャとダニロフにはそこまでの繋がりは見えてこない。ターニャの首筋にダニロフが欲情する描写も突然で、なんか取って付けたよう。
しかし話はヴァシリとターニャの仲にダニロフが嫉妬する流れに。

見ながら、
「え?ダニロフが愛しているのは、ターニャでなくてヴァシリでしょ?」とどうしても感じてしまった。
なんか、異性愛至上主義へ迎合せざるを得なかったから脚本をねじ曲げたか?とか勘ぐっちゃう。2001年だとまだそんなもんかな、なんて。

男同士のロマンス描写、アレックスの曲にも本当によく出てくる。この作品がきっかけであの名曲が生まれたってことに納得だわ。